タリバンによる制圧 イスラム過激派の目的は?
2021年8月16日、タリバンがアフガニスタンの首都カブールを制圧したとスマホのニュース通知がありました。
前トランプ政権による米軍アフガニスタンからの撤退決定、 2021年5月 のアフガン駐留米軍の撤退開始からあっという間にタリバンが支配を広げ、あっという間に首都カブールまで制圧されました。
9.11の同時多発テロ事件以降、アフガニスタンに関するニュースを目にする機会は多々ありましたが、何故アフガニスタンのイスラム過激派組織がテロ攻撃を行うのに至ったのか?その経緯が分からないままでした。
今日見た動画 9.11までの80年間の歴史的経緯
今日のニュースを受けて、なぜイスラム原理主義者は欧米諸国(特に米国)に対してテロ攻撃を行うようになったのか?と話していたら、下記動画を紹介されました。
“The Road to 9.11 80 years of humiliation”というタイトルでYoutubeにアップされており、第一次世界大戦以降の出来事に触れながら9.11同時多発テロが引き起こされるまでの経緯を説明しています。
動画は、2015年に制作されたもののようです。
「イスラム教」や「中東の近代/現代史」について、非常に無知な私にとってはとても勉強になる動画でした。
(注)動画には、戦争や処刑の様子など過激な場面が含まれているため、そのような場面が苦手な方は見ないでください。
動画からの学び(私なりに分かった範囲で…)
・第一次世界大戦でオスマン帝国が敗戦したことにより、現在のイラク・パレスチナ領がイギリス、シリア・アルジェリア領がフランスの統治下に。宗教、歴史、民族に関係なく、領土を分割し、西欧キリスト教の価値観で統治を行った。(イスラム教の文化・歴史・価値観の否定)
・中東アラブ諸国は、第二次世界大戦ではドイツと組んだ。敵(英仏)の敵(独)は、仲間、という理論
・第一次中東戦争(1948年)において、アラブ諸国連合軍はイスラエル(西欧諸国の支援によって建国されたユダヤ人国家)に敗戦。屈辱を味わう(西欧諸国に対する怒り・屈辱感)
・アラブ諸国に抑圧的な政権が慢性的に生まれるのは、石油のせい。1970年代から石油の価値がさらに高まる。国際市場での石油の価値が高いため、国としての近代化は一切不要。穴を掘れば、外貨を獲得することができる。これにより、汚職や政治的停滞(political stagnation)が発生。国民から税金を取る必要もなく、民主制議会政治を行う必要もないため、独裁者に富が集中 (27:10頃~) (王族・独裁者による富の独占・支配に対する不満)
・サウジアラビアの王族は、イスラム教 ワッハーブ派(wahhabism)の極端かつ非寛容な考えを支配のための道具として使用。近代化や改革を推し進める者は、攻撃の対象とした。ワッハーブ派であることを条件に、普及を支援、オイルマネーが使われた(29:20頃)。ジハードの名の下に、異教徒を攻撃する過激な思想がイスラム教圏に広がる(イスラムの教えは、本来、他社に対して寛容であり、女性に対しても差別的でないにも関わらず…)
・ウサマ・ビン・ラディンは、サウジアラビアの王族の地位を捨てて、アフガニスタンの山岳地帯に潜伏して、イスラム教義のために命をかけた。それに対して、7,000人ものサウジアラビアの王族は汚職まみれで、怠惰かつ無知であった。ワッハーブ派の教えを信じるサウジアラビア人にとってどちらが魅力的かは明らか(46:55頃~)(イスラム過激派にとってのカリスマ的人物の登場)
動画を見ての感想
私なりに動画を見て感じたことは、イスラム帝国の崩壊以降、西欧諸国による支配・軍事介入によって生まれた屈辱感や汚職まみれの支配層に対する怒りが蓄積され、Wahhabismの攻撃的な教義によってテロリズムを正当化する風潮がつもり重なり、9.11が起きてしまったということ。
タリバンによる首都制圧もこの9.11までの道のりという動画で話されていることの延長線上に起こったことなのではないかと思いました。
ニュースを見ていると、いつ、どこで、何が起きているかはわかるけど、
それがなぜ起きているのかはなかなか分からない。
歴史を学び、自分の頭で考える、現場・現物に近づく努力をする、ということが大事だなと思いました。無知なりに
以上、久しぶりの投稿でした。
語彙
sharia イスラム教の経典コーランと預言者ムハンマドの言行(スンナ)を法源とする法律
caliphate イスラム帝国(イスラム教(イスラーム)の教えに従って生まれたイスラム共同体(ウンマ)の主流派政権が形成した帝国)
infidel 不信心者、異端者、異教徒
anti-semitic 反ユダヤ主義
languish だれる、元気がなくなる、弱る、衰える
tyrannies 専制政治、 暴政
pale in comparison 見劣りする
pagan 異教徒、無宗教者
cannon fodder 砲弾の餌食、使い捨ての兵士
repressive regime 抑圧的な[管理体制の強い]政権
wahhabism ワッハーブ派(イスラム教義を極端に解釈した宗派、異端者に攻撃的)
subjugation of women 女性の服従