
#前回の投稿 『詩で英語学習 “The Daffodils”①』は、こちら
“The Daffodils”は、ABABCC♪ ×4段落
英国有名な詩人 ウィリアム・ワーズワースの”The Daffodils”(水仙)
詩には疎い私ですが、学生時代に教えてもらった詩で、一番好きな英語の詩です。
だいぶ前に第1回目を投稿してから、第2回目を投稿できていませんでしたので、
今回はどのような技法が使われているかについて解説します!
まずは、詩の本文とその和訳です⇓
”The Daffodils”
第一段落
I wandered lonely as a cloud [A:d]
That floats on high o’er vales and hills, [B:ills]
When all at once I saw a crowd,[A:d]
A host, of golden daffodils; [B:ils]
Beside the lake, beneath the trees, [C:s]
Fluttering and dancing in the breeze. [C:ze]
和訳( #和約は、『イギリス名詩選』平井正穂編より引用 。以下同じ)
谷を越え山をこえて雲高く流れてゆく
白い一片の雲のように、私は一人悄然としてさまよっていた。
すると、全く突如として、目の前に花の群れが、
黄金色に輝く夥しい水仙の花の群れが、現れた。
湖の岸辺に沿い、樹々の緑に映え、そよ風に
吹かれながら、ゆらゆらと揺れ動き、躍っていたのだ。

第二段落
Continuous as the stars that shine [A:e]
And twinkle on the milky way, [B:y]
They stretched in never-ending line [A:e]
Along the margin of a bay: [B:y]
Ten thousand saw I at a glance, [C:e]
Tossing their heads in sprightly dance. [C:e]
和訳
夜空にかかる天の川に浮かぶ
煌めく星の群れのように、水仙の花はきれめなく、
入江を縁どるかのように、はてしもなく、
延々と一本の線となって続いていた。
一目みただけで、ゆうに一万本はあったと思う、
それが皆顔をあげ、嬉々として躍っていたのだ。

第三段落
The waves beside them danced, but they [A:y]
Out-did the sparkling waves in glee: [B:e]
A poet could not but be gay, [A:y]
In such a jocund company: [B:y(e)]
I gazedー and gazedー but little thought [C:t]
What wealth the show to me had brought. [C:t]
和訳
入江の小波もそれに応じて躍ってはいたが、さすがの
煌めく小波でも、陽気さにかけては水仙に及ばなかった。
かくも歓喜に溢れた友だちに迎えられては、いやしくも
詩人たる者、陽気にならざるをえなかったのだ!
私は見た、瞳を凝らして見た、だがこの情景がどれほど豊かな
恩恵を自分にもたらしたかは、その時には気づかなかった。

第四段落
For oft, when on my couch I lie [A:e]
In vacant or in pensive mood, [B:d]
They flash upon that inward eye [A:e]
Which is the bliss of solitude; [B:de]
And then my heart with pleasure fills, [C:s]
And dances with the daffodils. [C:s]
和訳
というのは、その後、空しい思い、寂しい思いに
襲われて、私が長椅子に愁然として身を横たえているとき、
孤独の祝福であるわが内なる眼に、しばしば、
突然この時の情景が鮮やかに蘇るからだ。
そして、私の心はただひたすら歓喜にうち震え、
水仙の花の群れと一緒になって躍り出すからだ。
この詩に用いられる技法
(1) 韻の踏み方(Rhyme scheme) ABABCCのリズムの繰り返し♬
この詩は、4つの段落で構成されており、段落ごとに1つのまとまりとして韻の踏み方が決まっています。
各行の最後の文字を見てもらうと赤字でハイライトしています。
第1段落は、
cloud (A), hills (B), crowd (A), daffodils (B), trees (C), breeze (C)
第2段落は、
shine (A), way (B), line (A), bay (B), glance (C), dance (C)
第3段落は、
they (A), glee (B), gay (A), company (B), thought (C), brought (C)
第4段落は、
lie (A), mood (B), eye (A), solitude (B), fills (C), daffodills (C)
全てABABCCという順番で終わりの音が揃っており、韻が踏まれています。
最初のABABのリズムは比較的オープンで流れるようなリズムを作って、
最後のCCのリズムでフォーマルに段落を閉めるという流れになっています。
(2)各行ごとの読み方は、Iambic Tetrameter
詩を詠むときの強弱のリズムがあるようですが、
この詩は ”Iambic Tetrameter”というリズムの読み方を採用しています。
“Iamb”=弱・強、tetra=4、Meter=リズム、のことです。
そのため、Iambic Tetrameterとは、弱・強のリズムを4回続ける読み方のことを指しています。
例えば、第1段落の1行目を音節ごとに分解すると以下のようになります。
I (弱)/ wander (強)/ ed (弱)/ lone (強) / ly (弱)/ as(強)/ a(弱)/ cloud(強)
このIambic Tetrameterのリズムは、ネイティブな聞き手にとって、
自然で聞きやすく流れるようなリズムになるようです。(嫁談)
この自然な音のリズムであるIambic Tetrameterに対して、
”Iambic Pentameter”という5回 弱・強のリズムを取る詩(シェイクスピアなどに見られる)は、
より格式張って、フォーマルな自然ではないリズムに聞こえるようです。
ただし、この読む際のリズムについては、
詩の作者は十分意識して作っていると思うのですが、
詩を詠む人によってはそこまで気にしていないようにも思います。
実際に、嫁と一緒にYoutubeでこの詩を朗読する動画を何件が見ましたが、
必ずしもIambic Tetrameterのリズムに沿って読んでいるわけではありませんでした。
(3)Personification(擬人化)
この詩で、Wordsworthは、水仙を人に例えて表現する、Personificationを何度も使っています。
例えば、
A host of…(人や動物のように、~の群れ)、dancing(花は踊れないけれども、風で揺れる様を踊る), heads(人間のような頭はないが、頭), a jocund company(花ではあるが、仲間)、などなど、
まるで水仙が人であるように生き生きとした存在であることを表現するためにPersonificationを用いています。
このPersonificationは、 自身の寂しさ・孤独(特に、第1段落&第4段落)に対比して、
風で踊るように揺れる水仙の群れの美しさ・躍動感を表現するために用いられている技法のようです。
以上、The Daffodilsについての解説②でした!
■語彙
stanza 詩を構成する段落(この詩は、4つのstanzaから構成される)
Iambic tetrameter 詩のスタイル
personafication 擬人化
